GALLERY  “ORIGINAL CG” 


<nac88 98/04/21>

明日 −それぞれの未来−

明日 −それぞれの未来−

☆コメント☆

 お久しぶりのNACです

 仕事も一段落ついてやっとブルーアイズの最終回を
 描くことができました

 今回のCGは今までのやり方とは全く違うやり方で
 描いたので違和感を感じると思いますがこれはこれと言うことで
 見て下さい(^^;;

 でもまぁ・・・11月に始めて気づくともう4月も終わり・・・・・
 半年がかりで完結とは・・・・ずいぶんと長い時間をかけて描いた
 シリーズですね・・・何というか・・・・う〜〜みゅ(^^;;
 この次、こういう風にストーリーものをやるときはもっと短いものに
 したいと思いマスです。

 そんなわけで次のストーリーものはまだ全然思いついてもいませんが
 気が向いたら描きますのでその時はまたよんでください

 ではではこれで・・・・
 また見て下さい


-----------------------------------------------------------------------------

カイザルトが倒れ、レガリュートが瓦礫の山になってから3年が過ぎた。

 あの後、独裁者カイザルトが死んだことにより『革命』は成功し、新政府
が樹立された。
 その代表に本人は嫌がっていたが一応『革命軍』のリーダーであったセイ
ン・アイーダが立つことになった。
 その時、シオンに「俺は個人的な恨みでやっただけなのに」と愚痴ってい
たらしいが公式には残っていないので事実は不明である。
 それでも代表になった以上、セインは出来る限りのことをやった。
 この国の全ての人たちが幸せになれるように・・・・・。
 そして考えられる全ての事をやり2年後セインは代表の座を副代表でもあっ
たシオンに任せ、自分は行方をくらました。
 その時のセインのセリフはこうであった。
「とにかく2年もじっとしてたら身体がなまってしょうがない。だから俺は
旅に出るから、シオン君、あとはよろしく」


 それから1年が過ぎ・・・・・現在・・・・・・・。

 セインに仕事を押しつけられたシオンは今でも忙しいようだ。
「セインめぇ・・・・帰ってきたらのし付けて返してやる」
 デスクに置いてある集合写真に写っているセインに笑いながら毒ついた。

 シオンは押しつけられた代表をどうにかこなしているようだ。
 とりあえず本人はセインが帰ってくるまでの代理としてやっているつもり
らしい・・・・。


「ちったぁおとなしくしろ!!」
 セントラルシティーのとある一角細い路地から威勢のいい女性の声が響いた。
「足が遅いくせに逃げ回りやがって。こっちは犯人追う以外にも仕事がある
んだよ」
 どうやら犯人逮捕らしく路地から手錠をかけ観念したようにうなだれた男
とエメラルドグリーンの髪の毛を持つ17、8ぐらいの少女が出てきた。
 と、そこへちょうどパトカーが通りかかった。
 パトカーは少女達の前に止まると水色の髪を持つ少女が降りてきた。
「ミリア、こいつを頼むよ」
 エメラルドグリーンの髪の少女はパトカーから降りてきた少女−ミリアに
男を引き渡した。
「こいつ何やったの?メル姉さん」
「ひったくり・・・・・全くなんで非番の日にこんな事やらなきゃいけない
んだろうね」
 メル・・・・メルアールはいかにもつまらなそうに言う。

 あの爆発の中、メルアールの心は奇跡を起こしレンを助けた。
 そのショックで壊れたと思われていたシステムだが、セインは諦めずに何
とか修理してメルアールのボディーに組み込んだ。
 だが反応はなく1週間が経ち半ば諦めていたその時、メルアールは目を覚
ました。
 未だにその原因は分からないが何の問題もなく、今に至ってるので大丈夫
なのかもしれない。

「ま、そう言うわけだから、ミリア、後よろしくね」
 そう言い残すとメルアールは人混みの中に消えていった。
「まったく・・・メル姉さんは・・・・」
 ミリアは軽くため息を付くとメルアールから引き渡されたひったくり犯を
パトカーにたたき込んだ。

 メルアールとミリアは現在、シティーポリスに所属。
 性格が似てるため衝突も絶えないが、それでも普段は仲が良く、所内一の
名コンビでもある。


 セントラルタワー中央コンピュータールーム。
「あれ?・・・・なんでこんなところでバグが出るのぉ?」
 ピンクの髪の少女−メリルがぶつぶつ言いながらコントロールパネルを叩い
ていた。
「ねぇ、そっちの方に異常はない?」
 ルーム内にはメリルを含めてオペレーターは3人しかいない。
「いえ、こちらには異常は見あたりませんが・・・・」
「こちらも同じです」
 二人はほぼ同時に答えた。
「じゃあ・・・・問題の箇所はこの部分かなぁ・・・・」
 メリルは再びモニターに映し出されている数列をにらめっこを始めた。

 メリルは元々情報分析を得意とするアンドロイドソルジャーだったため、セン
トラルコンピューターのオペレーターとして任についている。


 セントラルシティーからやや南に行ったところで緑が広がっていた。
 砂漠しかないこの星で数少ない緑である。
 だがこの緑は自然のものではなく人工的に育てられたものであった。
 セインの政策の一つにこの星を緑豊かな星にするというものがあり、これはその
一環でおこなわれていた。
 そしてそこを管理しているのは赤い髪の少女−リーアスだった。
「もうすぐ花が咲くね」
 見回ってる時につぼみを見つけたリーアスは座り込んでにこりと微笑んで話しか
けた。
「お兄さまやお姉さまが帰ってくる頃にはこの辺をお花でいっぱいにするんだ」
 リーアスはしばらくつぼみを見つめると再び立ち上がって他の場所の見回りを始
めた。

 リーアスは惑星緑化計画の主任として他の国と連絡を取り合いつつ計画を進めて
いた。


 そして・・・・・・セインとレン・・・・・・。

「もうあれから1年になるのか・・・・・」
 セインは岩場に座り込むとつぶやいた。
「みんなと別れてから?」
 レンはセインの横に同じように座った。
「ああ・・・・みんなどうしてるかなぁ・・・・」
「ホームシックになったの、セイン?」
「まさか・・・・好きで旅してるのに・・・・」
「冗談ですよ」
 レンはくすくす笑った。
 セインもそれにつられて思わず笑ってしまった。
「ねぇこれからどっちの方に行くの?」
「そうだなぁ・・・・今、みんなとはだいたい正反対にいるから今度は東の方にで
も行ってみるか」
 セインは軽く言った。
 もともと気の向くままに旅をしてるのであんまり深くは考えてないらしい。
 レンもそのことが分かっているのか笑って頷いた。


 セインとレンが再び故郷に戻るのはこれから10年近く経った後になる。
 その時、月日の分だけ歳をとったシオンと、全く姿が変わらないメルアール達が
出迎えてくれることだろう。
 でもその話はまた別の機会と言うことでこの物語はこれで終わりとします。



   Fin
-----------------------------------------------------------------------------