<nac80 97/12/17>
救援 −おまたせ〜!!−
☆コメント☆
こんにちわ NACです
物語も佳境に入ってきた「ブルーアイズ」ですが
ここに来て新キャラ登場です
とりあえずこれでやっと役者が全員そろいました。
そういうわけで続き行きます(^^)
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カイザルトはさっと右手を挙げた。
それと同時に回り囲んでいるすべて兵士達がセイン達に向け銃を構えた。
絶対絶命の危機。
「・・・・これまでなのか」
セインはこの場を切り抜ける方法を探したがどう考えても見つからない。
「さよなら、セイン君」
カイザルトの右手が振り下ろされたその時、3人を取り囲んでいた兵士の一角で
爆発が起きた。
「!?」
いままで余裕を見せていたカイザルトも突然の攻撃にあわてた。
「一体何事だ!?」
近くのいた側近の兵士に聞いた。
「何者かの攻撃です」
レーダーを見ながら敵の位置を探している。
「北西およそ1km・・・・間違いありません!S級ソルジャーです!!」
「なんだと!・・・うわっ!」
カイザルトの乗る装甲車の間近にレーザーが着弾した。
その程度ではどうって事もないはずなのだが装甲車周辺の岩盤を破壊したため、
相乗効果により装甲車に相当なダメージを与えた。
そして、さらに攻撃は激しくなっていく。
謎の攻撃によりカイザルトを始めすべての兵士達が混乱している中、そのどさく
さに紛れ一台の中型のエアカーがセイン達3人の前に急停車した。
「セイン、無事か!?」
エアカーの中にいたのはセインの古くからの仲間の一人シオン・マーキスだった。
「シオン・・・・と言う事はこの攻撃はあの二人か?」
「そうだ。とにかくこの混乱に乗じて脱出するぞ。行けるなセイン!」
「ああ、わかった」
セインと傷ついたリーアスは最後尾にレンを前の席に乗せるとエアカーは砂埃を
あげ、その場から脱出した。
「カイザルト様、3人が消えました。おそらくこの混乱に乗じて逃げたものと・・
・・」
「なんだと!?何をしていた!」
カイザルトは報告した兵士を持っていた杖で打ち付けると、怒りに肩をふるわせ
ながらレガリュートへ撤退命令を出した。
北西約1kmの地点に二つの人影があった。
髪が短くボーイッシュな感じの年の頃は17、8の女の子が目標地点を凝視しな
がら口を開いた。
「兄貴達は脱出したみたいだから、あたし達も早いところ切り上げて合流しよう」
「うん、分かった。じゃあ,後一発ぶちかましたら行こうね」
立て膝で右腕に装着したビームキャノンを構えていたもう一人が答えた。
こちらはストレートヘアで14、5歳くらいに見えた。
ストレートヘアの女の子は照準を撤退を開始した装甲車に合わせ発射した。
しかしその弾光は装甲車をかすめるだけに終わった。
「あ〜〜はずしたぁ」
「ほら行くよ」
はずしたことを悔しがるストレートヘアの娘を引きずるように近くに止めているエ
アカーに乗り込むと合流地点に向け走り出した。
シオンは先ほどの場所からやく3km行ったところにある岩場の窪地に車を止めた。
「こんなところに止めてどうしたんだ?」
何もない場所にエアカーを止めたシオンに聞いた。
「ここが合流地点なんだ」
「合流?・・・・・ああ、なるほど」
「兄さん、誰か来るんですか?」
助手席で二人のやりとりを聞いていたレンが聞いてきた。
「ああ。出発するときに言ったろ。『会わせたい奴らがいる』って。
今からそいつらが来るんだ」
「会わせたい人・・・・・」
そうこうしていると外からエアカーが近づいてくる音がした。
「来たな」
セインとシオンはどちらからともなくつぶやくと、二人とも外に出た。
エアカーは二人の前に止まり、ドアが開いた。
「お兄ちゃん!」
中から勢いよく先ほどビームキャノンをぶちかましていたストレートヘアの女の子が
飛び出しセインに抱きついた。
セインは先ほど被弾した足のこともあって、立っているのがやっとの状態だったため
そのまま後ろに転んでしまった。
「こら、メリル。突然飛びつくヤツがあるか!こっちは怪我してるんだからな」
上半身を起こすと自分の上にちょこんと座っている女の子−メリルを軽くこついた。
「ごめんなさ〜い」
「言わないこっちゃない。兄貴に早速怒られてるじゃないか」
いつの間にかショートヘアの女の子が目の前に立っている。
「ミリアだけ良い子ぶってずる〜い」
メリルはミリアに口をとがらせて文句を言った。
「ほら、メリル。早く退いてやらないと兄貴が困ってるぞ」
「え?あ、お兄ちゃん、ごめんなさい!」
そう言うとセインの上から退いた。
「お前等・・・・一ヶ月ぶりだって言うのに相変わらずだな」
セインは苦笑を漏らした。
「お前がいない間、このやんちゃな娘達にはほとほと手を焼いてたんだぞ」
シオンが冗談半分に言ってきた。
「あ〜〜シオン、そんなこと言うのぉ!?」
「メリルはともかく、あたしまで一緒にしてほしくないな」
「ミリア、それってどういう意味?」
「そのまんま」
「そんなこと言ったらミリアだって・・・・・・」
ほとんど恒例となりつつある二人の口ケンカにセインとシオンは肩をすぼめた。
その様子を見ながらレンがセインに近づいてきた。
「あの、兄さん・・・この人達ですか?会わせたい人たちというのは・・・」
「ああ、お前達の妹達だ」
「妹たちって・・・まさか彼女たちも・・・」
「そうだ。お前達同様、マインドシステムを組み込んだアンドロイドだ。
戦場で破壊され捨てられていた彼女たちを修理して組み込んだんだが・・・・・
どうしてああいう性格になったのか・・・・・・ミリア、メリル!そのぐらいにして
こっちに来い!」
口げんかに夢中になっていたミリアとメリルは、セインに呼ばれ我も帰ると急いで
寄っていった。
「簡単に紹介する。彼女がお前達の姉のレン、そしてエアカーの中で眠っているのが
リーアスだ。リーアスに関しては体を直してから再び紹介する。で、こっちの気の強
そうなのがミリアで、幼い感じがする方がメリルだ」
3人はそれぞれ紹介されて、簡単に挨拶を交わした。
「へえ、兄貴が言っていたとおり知的な感じの女性だね」
「え・・・あの・・・」
今まで言われたことのない言葉に戸惑うレンにミリアは手を差し出した。
「これからよろしくね。レン姉」
「うん。こちらこそよろしくね」
差し出された手をレンはにこりと微笑んで握り返した。
「あ〜〜私も!」
一人蚊帳の外になりかかっていたメリルが手を出してきた。
「レンお姉ちゃん、私もよろしくお願いします」
差し出された手をレンは握り返す。
「こちらこそよろしくね。メリル」
「3人ともすっかり打ち解けてるな」
自分たちが乗ってきたエアカーにもたれ3人を眺めながらセインはつぶやいた。
「そりゃあ、制作者が一緒の姉妹だからな」
その横に座るシオンが間髪を入れずに答えた。
「初対面だけに仲良くやってくるかどうか心配だったんだが、取り越し苦労だったよ
うだな」
「そうそう・・・・それよりもお前、足は大丈夫なのか?」
「ああ、こうして歩く分には何とかなるから大丈夫だ。ま、戻ったらすぐにリーアス
と一緒に修理するけどな」
「なら良いが・・・・」
「そういえばまだ礼を言ってなかったな。危ないところを助けてくれてありがとう」
「どうせお互い様だから良いって事さ」
「でも良く俺達が分かったな。まさに危機一髪だったよ」
「あんなでかい物が動いていたんだ、何かあると思ってあの二人を連れて追跡してい
たら偶然・・・・って感じだよ」
「そうか・・・・・・」
「ところでアレは一体何なんだ?少なくとも俺がまだ軍にいたときには無かった物だ」
「移動要塞レガリュート・・・軍の中でもトップシークレットに位置づけられていた
兵器だ。おそらく知っていたのは軍上層部と一部の科学者だけのはず。研究所にいた
俺ですら詳しくは知らないが、その開発は少なくとも6、7年ほど前から進められて
いたようだ。しかし・・・・・よもや完成していたとは・・・・・」
「なるほどトップシークレットか・・・俺が知らないで当然か・・・」
「あいつが完全に稼働し始めたらこの星すべてがカイザルトの手に落ちてしまう。と
にかくそれだけは防がないと・・・・」
「そんなにやばい代物なのか?レガリュートってヤツは」
「何でも一撃で都市一つを消滅させることが出来るらしい」
「それって・・・・・」
シオンは絶句した。
「で、セイン、どうする気だ?」
「言わなくても分かるだろ」
「しかし・・・・明らかに戦力不足だな。すべての仲間を集めても150人前後、S
級はこの4人だけ・・・・・」
「S級はここにもう一人いる」
「お前・・・・」
「半有機体アンドロイドだがそのぐらいの力は出せる」
「言い出したら聞かない性格は直ってないようだな。セイン」
半分あきれながらも、こいつなら出来るかもしれないと思った。
「ところでセイン、『彼女』はどうするんだ?」
その言葉にセインは言葉を濁らせた。
「・・・・システムが見つからない限りどうすることもできない。と言うのが正直な
ところだ」
「そうか・・・・・・」
シオンはおもむろに立ち上がると伸びを一つして言った。
「どちらにしてもアジトに戻って直す物を直さないと作戦の立てようもないな」
「ああ」
「よし、行くか!」
それぞれ乗ってきたエアカーに乗ると一行はアジトのある西の町へと急いだ。
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は〜い、そういうわけで今回はこれまでですが
当初の予定だとこれで終わるつもりだったんです。
しかし、書いている内に最後まで書きたくなってしまったのでもうしばらく
「ブルーアイズ」におつきあいお願いします。
だけど・・・・ここまで長い物になるとは当初予定してなかっただけに
複雑な気分です。
きちんとした形で終わると良いんだけど・・・・・終われるかなぁ(^^;
それではそういうわけでまた次回も見て(読んで)ください